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消防灯

消防灯


 今回は、多分誰にも理解されない、そんな写真を失礼します。

 この赤い点は、実家の自分の部屋に戻るときに、階段を登った所にある消防灯。

 自分の部屋は5階にあります。
 自分が中学にあがるまで、家族4人は4階に住んでいて、この5階、とりわけこの消防灯の先は、大きな鉄の扉に閉ざされていました。 よく悪いことをして親を怒らすと、必ずといっていいほど、お仕置きでこの消防灯の先にある鉄の扉の部屋に押し込められたものです。子供時分の自分にとって、この消防灯は恐怖の象徴の何ものでもなかったのです。

 自分が中学に上がったくらいから、家族の部屋が足りなくなった事もあり、この5階が改築され、5階からその大きな鉄の扉は無くなってしまったのですが、この消防灯だけは今日までしっかり残ってました。この頃の自分は内向的な所もあって、すぐに自分の部屋にこもったりしたものなのですが、こもる時には必ずこの消防灯がいました。

 サラリーマンになると、残業や夜遊びをするようになりました。同僚と酒の席については、終電で帰ったり。仕事をこなして終電で帰ったり。親にばれないように、周りの明かりを全く付けずに、そっと自分の部屋に登るのですが、その時もしっかりとこの消防灯は自分を叱るかのごとく、自分を照らしてました。

 サラリーマンを辞め、渡米をしました。貧乏学生だったので、2年に1度くらいの割合でしか実家に帰る事がなくなりました。そんな長い周期経ても、やっぱりこの消防灯は、何かを思い出させるように、赤く、ただぼんやりと暗闇の中にいました。

 向こうで働きはじめ、そして在籍していた会社がうまく行かなくなって、日本にくたびれながら戻ってきました。そんな時でも、この消防灯は元気づけるかのごとく、自分を照らしてくれました。

 そして今日、実家の取り壊しの為に引っ越す事になり、家族も全員借宿へ移った後、自分は、独り最後の荷物を取りに自分の部屋に戻ったとき、やっぱりこの消防灯は赤く、煌々と自分を照らしていました。

 これを書いている今、実家にはもう誰も居ません。でも、あの消防灯は独り、写真のように赤く光っているのでしょう。

 そして、明日には、この消防灯はおそらく取り壊しの残骸とともに、無くなるのだと思います。

 でも目をつぶると、消防灯はそこに、ぼんやりと居るのです。

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コメント

(T∇T)
うう(T∇T゜) 無くなっちゃうのはさみしいね
コメントとてらしあわせるととてもいい写真だね。
寂寥感、ノスタルジー、子供のころの恐怖と冒険心、そして居場所・・・ある意味原風景だとも言えるかもね。
暗闇にぽつんと光る何かってなんでこんなに魅力的なんだろう。
子供のころ近所の森にあった蛍光灯、ど田舎で光る踏み切り。

コメントがなければ「赤いランプの終列車」かと思ったw
コメをありがとうです!
はっしん どん>
コメありがとうだすー。
そうなんだすよ。自分の半生ばかり居た場所が無くなるっていうは、初めての経験なんだすよ。最後にこの消防灯の情景を見たとき、ためらい無くシャッターを切ったのと、ちょっと物悲しくなってました。

kyonさん>
コメありがとうね。
逆に、コメントがないと、本当になんの写真だか分からないよねー。そういう意味では生涯撮った写真の中で最悪の出来。 まさに「赤いランプの終列車」状態。 (w
作品
あ、あのビル壊しちゃうんですね・・・こないだやっとみつけたのにw
いろいろな思い出が一つ一つ積み重なって、くろぼしさんにとってすごく重要な一枚の写真なんですね。
思い出はくろぼしさんのものですから、私にはこの写真を見ただけではわからないですが、そのキャプションからは雰囲気は汲み取れました。
切なさとか、暖かさとかは誰しもが持っている思い出なので、そこに訴える作品に仕上がると、とてもいいものができそうですね。
何枚かの写真を組み合わせたり、動画に仕上げたり、いろいろな表現方法があると思います。くろぼしさんの気持ちが失われないうちにトライしてみては?
走馬燈のようですね~。
ポエムですね~^^
くろぼしさん、若くして紆余曲折があったのですね~。
良いときも悪いときも、同じ表情で照らしてくれた
消防灯の寂しさと温かさが一度に押し寄せてきました~。
コメをありがとうです!
すぎさん>
コメをありがとう!
えぇ、あのビル、外郭を壊して新しくするんだそうです。自分は田舎に引っ込む予定なので、後で連絡を差し上げたいと思います。遊びに来てください。

残念ながら、もう素材を集めるだけの時間がなく、この写真は事実上、今の実家の最後の姿となると思います。今は単独写真で手一杯なので、もう動画やら組み合わせなんていったら・・・(@_@;)
それ以前に、このアーティクルだけは、自分にとって特例で、皆にというより、自分に向けて書きました。なんか残しておこうかって。 ふふ、わがままですいません。もうちょっと勉強して、余裕がでたら他に理解出来る形で出しますね。

やさん>
いつもコメントをありがとうございます。m(_ _)m
一応、このサイトの主たる目的「日常の非日常」の一環なのかとも思い、これを出しました。 他の方からもご指摘いただいてるのですが、正直、この文がないと、何にも意味をなさない写真です。 でも、何かしらか感じていただいたみたいで、至極光栄です。
 ちなみに、紆余曲折と仰られてますが、多分どなたにでもドラマがあると思うんですよね。大なり小なりあれど。 今は、そんなドラマの断片のような写真が撮れればなぁと願っております。
そこにはドラマがある。
何気ないことやものが、ある人にとってはとても大事なことだったりする。それを再確認しました。
めっちゃせつないです…(´Д⊂グスン
くろぼしさんの気持ちが伝わってくる、とてもいい写真だと思います。
うん。いい話だ。
コメをありがとうです!
たかのりさん>
・・・えぇ、めちゃくちゃ切なかったんで、ちょっと柄にもなく、こんな事書いてます。はい。(涙
他の人に何かが伝わっただけでも、この写真には満足してます。ありがとうです。

ちゃりぼう>
そうか。ありがとうな~
まぁ、新居の方もぼちぼちになるんで、あそびにきんしゃい。
ふむ
感慨深いね。
この1枚は見る時々でいろんな気持ちになれるんでないかな。
撮っておいてよかったね。
でびくろしゃん>
コメをありがとうです。
>撮っておいてよかったね。
そうなんだよね。手元にカメラがあって本当に良かったと思う。と同時に、もうちょっと撮っておきたかったとも思ったりして・・・

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